2025年12月1日
こんにちは、東陽住建の中井義也です。
先日、一宮市が主催する「SDGs見学会」に協力企業として参加し
地元の小学生と保護者の皆様を弊社にお招きしました。
私たちの仕事である「家づくり」が、
実はSDGs(持続可能な開発目標)と深く関わっていること。
それを次世代を担う子どもたちに伝える
とてもとても大切な時間となりました。
本日は、その見学会で私たちが語った
「山と木、そして海の話」
を、このブログでも少しご紹介させてください。
■ 「木を切ること」は、悪いこと?
会場に集まってくれた子どもたちは、最初少し緊張した面持ちでしたが
スライドを使った授業が始まると、真剣な眼差しで話を聞いてくれました。
私が最初に投げかけたのは、少し意地悪な問いかけかもしれません。
「森の木を切ることは、良いことでしょうか? 悪いことでしょうか?」
昔は、多くの子どもたちは「木を切るのはかわいそう」
「森がなくなっちゃうからダメ」と感じていました。
でも、今の子達は、SDGsを学校で学んでいて、
日本の現状を少し知っていたりする子もいました。
ただ、多くは、昔と同じで、
世界的に見れば森林減少は大きな問題ですから、
「木は、切っちゃダメ」だと思っている
その感覚は間違いではありません。
しかし、日本の、私たちが暮らす
この地域の「人工林」においては、
話が少し違います。
山に人の手で植えられた木は、野菜と同じように、
時期が来たら収穫(伐採)し、使ってあげなければなりません。
木を切らずに放置すると、森の中は鬱蒼として光が入らず、
草も生えず、地面が痩せていってしまいます。
「木を上手に使ってあげることこそが、森を元気にすることなんだよ」
そう伝えた時、子どもたちの表情が
「へぇ!」という驚きに変わりました。
■ 山が元気でないと、海も元気にならない
今回、特に熱を込めてお話ししたのが、
「山と海のつながり」についてです。
海と山どっちが好きか?
そんな質問もしましたが、今は、キャンプブームで、
山に手を挙げる子も多かったです。
一宮市は海に面していませんが、
私たちの地域には大きな川が流れています。
山に降った雨は、森の土に染み込み
そこで豊富なミネラルや栄養分を含んだ水となります。
その水は川となって流れ下り、やがて海へと注ぎます。
森から運ばれてくる栄養分は
海に住むプランクトンを育て
それを食べる魚たちを育てます。
つまり、「山が元気でないと、海も元気にならない」のです。
もし、私たちが木を使わず
山の手入れを放棄してしまったら
どうなるでしょう。
荒れた山は保水力を失い
大雨のたびに土砂が川へ流れ込みます。
栄養のない水ばかりが海へ行き
海の生態系まで壊してしまうのです。
美味しい魚が食べられるのも
実は山の手入れをしているからこそ。
「山・川・海」はすべてつながっていて
そのスタート地点にあるのが「森の木を使うこと」なのです。
■ 100年のバトンを、君たちへ
「100年のバトン」という言葉があります。
今、私たちが柱として使っている木は、50年〜100年前に、
私たちの先代が、「未来のために」と汗を流して植えてくれたものです。
先代が託してくれたバトンを、
私たちは今受け取り、感謝して家づくりに使います。
そして木を切った場所には、また新しい苗木を植えます。
それが実際に使えるのが、最短50年後。
大人になった今日の子どもたちや、そのまた子どもたちのための資源となります。
「植える→育てる→使う→また植える」
このサイクルを止めないことが、私たちの使命です。
■ 東陽住建の約束
今回、熱心にメモを取る子どもたちや、
深く頷きながら聞いてくださる親御さんの姿を見て、
改めて身が引き締まる思いがしました。
私たち東陽住建が「地元の木」にこだわる理由は、ただ品質が良いからだけではありません。
地元の木を使うことは、地元の山にお金を返し、次の苗木を植える手助けをし、川をきれいにし、最終的には海を守ることにつながるからです。
家を建てるということは、地域の環境を守るということ。
このブログを読んでくださっている皆様にも、
無垢の木の家づくりが、そんな大きな自然の循環の一部であることを
知っていただければ幸いです。
これからも東陽住建は、木とともに生きる豊かな暮らしと
元気な山や海を未来へつなぐ活動(100年のバトン)を続けてまいります。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。









