2026年1月23日
寒い。
朝、外に出た瞬間に、息が白くなる。
雪が積もると、世界が静かになります。
音が吸い込まれて、足元だけが「ギュッ、ギュッ」と鳴る。
こういう冬になると、なぜか家のことを考えるんです。
冬は、ごまかしが効かない。
家の“本当の実力”が、体感で分かる季節です。
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床の冷たさ
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窓際のスーッとした冷気
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玄関から入る外気
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脱衣室のヒヤッ
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朝の結露
これは全部、断熱・気密・換気・日射取得の結果として出てきます。
今日は、その話をします。
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東陽住建の
中井義也とは
いつもをもっとしあわせに
をビジョンに
岐阜県東白川村の
良質な木材を使い
日本一強い家
を提唱しています
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それでは、1月23日号
スタートです!
雪の日に「差」が出るのは、理由があります。
冬の快適性は、ざっくり言えばこの式です。
快適性 = 断熱(熱を逃がさない) × 気密(すき間を作らない) × 換気(空気を整える) + 日射取得(太陽を入れる) − 日射遮蔽ミス(冬に太陽を捨てる)
ここを外すと、いくら暖房を強くしても「寒い家」になります。
1)床が冷たい家は「断熱欠損」か「熱橋(ヒートブリッジ)」が疑わしい
朝一番、足裏で分かるやつです。
床が冷たい原因は主に3つ。
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床下断熱の性能不足(厚み・材質・施工精度)
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断熱材の欠損(配管まわり・隅・根太間の入れ込み不足)
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熱橋(ヒートブリッジ)(基礎・金物・取り合いで熱が逃げる)
特に雪国寄りの気候では、床下の冷え込みが強くなります。
だから「断熱材の種類」より、実は施工の精度が効きます。
断熱材は、入れ方が雑だと“性能が落ちる”。
これはカタログに出ない現場の真実です。
2)玄関が冷えるのは当たり前。でも「冷気を家に入れない」設計がある
玄関は外と直結するから冷えます。
問題は、冷えた空気が家の中に流れ込むこと。
ここで効くのが、
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風除室(玄関ポーチの取り方)
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玄関ホールの区画(リビング直結を避ける)
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建具の気密性(引き戸より開き戸が有利なケースが多い)
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玄関土間・框(かまち)周りの断熱処理
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基礎断熱の取り合い(玄関部は弱点になりやすい)
そして意外と盲点なのが、玄関ドア下端・枠まわりの気密。
ここが甘いと、換気の負圧で外気を引っ張ってきます。
3)窓際が寒い=窓の性能だけじゃなく「設置の仕方」が9割
窓は家の中で一番熱が出入りしやすい場所。
だから窓の寒さは、
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ガラス(Low-Eの仕様)
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サッシ(樹脂かアルミ複合か)
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スペーサー(樹脂スペーサー等)
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そして何より取付の納まり
で決まります。
よくあるのが、
窓まわりの断熱欠損と気流止め不足。
壁の断熱と窓枠の取り合いが弱いと、窓まわりに冷気が回り込みます。
結果、窓際で“スーッ”が起きる。
また結露は、単純に言うと
結露=室内の水蒸気が、冷たい面で露点温度を下回って水になる現象
つまり、
窓が冷たい/湿度が高い/換気が不適切
この組み合わせで起きます。
結露対策は「窓を良くする」だけじゃなく、
換気計画と室内湿度のコントロールまでがセットです。
4)脱衣室が寒い家は「温度ムラ」が大きい=設計と空調計画の問題
ヒートショックの話に直結します。
脱衣室が寒い原因は、
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断熱が弱い(外壁面が冷える)
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空気が回らない(暖気が届かない)
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換気が強く効きすぎている(負圧で冷気が入る)
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建具の下にスカスカ隙間がある
ここは、**空調の“届き方”**が重要です。
「リビングだけ暖かい」は、冬に弱い家の典型。
家全体の温度差を小さくするには、
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断熱・気密のベースを上げる
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風の通り道(空気の動線)を設計する
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換気の給気・排気位置を整理する
この3点が効きます。
5)寝室の朝がつらい家は「夜間の熱損失」が大きい
夜、暖房を落としても寒くならない家は、
**外皮性能(家の皮の性能)**が高い。
逆に朝冷え込む家は、
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断熱の弱さ
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すき間風(気密不足)
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窓の熱損失
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換気の熱ロス
が重なってます。
特に換気は、冬は「熱を捨てる装置」になりやすい。
だからこそ、換気計画は
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どこから給気して
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どこで排気して
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空気がどこを通るか
を読み切る必要があります。
じゃあ「変わらないもの」をどう読むか
太陽:冬は“日射取得”が命
冬の太陽は高度が低い。
だから南面は、冬に光を入れやすい。
ここで重要なのが、
庇(ひさし)と窓高さのバランス。
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夏は入れない(遮蔽)
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冬は入れる(取得)
これを成立させるのが、設計の腕です。
冬の日射は、暖房費にも直結します。
風:冬の体感を壊すのは「風」じゃなく「すき間風」
風は外に吹く。
でも寒さを連れてくるのは、家の中に入る“すき間風”。
だから気密は「数字」も大事だけど、
それ以上に施工のルールが大事。
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気密ラインをどこで作るか
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貫通部(配管・配線)をどう処理するか
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気密テープやシートをどう守るか
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大工と設備がぶつかる部分をどう収めるか
現場の連携で差が出ます。
風景:窓は“採光”だけじゃなく“視線設計”
窓の位置は、光より先に「視線」を決める。
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座った目線
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立った目線
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料理している目線
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子どもの目線
そして外からの視線。
ここを外すと、カーテン閉めっぱなしになって、
せっかくの窓が“ただの穴”になります。
近隣環境:冬は「雪と車」が設計条件になる
雪国寄りでは、これが現実。
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駐車場の雪かき動線
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玄関までのアプローチの滑りやすさ
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屋根雪の落雪位置
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雨樋や雪止めの考え方
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室外機が雪で埋まらない位置
冬に困る家は、だいたいここが甘いです。
設計段階で“雪の日の暮らし”をシミュレーションする。
結論:大事なものに正直に、正面から作る。
冬は、家の評価がごまかせない。
だから私は、雪が積もると家のことを考えます。
そして答えはシンプルです。
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断熱は「性能」+「欠損ゼロの施工」
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気密は「ラインの設計」+「貫通部処理」
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換気は「空気の動線」+「室内湿度の管理」
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日射は「冬に入れて、夏に止める」
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雪は「動線・落雪・設備配置」まで考える
変わらないもの(太陽・風・風景・近隣環境)を読み切って、正面から作る。
それが、冬に強い家。
そして、毎日がラクになる家です。









